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※一般の方でL-カルニチンについて詳しく知りたい方はロンザジャパン株式会社によるL-カルニチン総合案内がおすすめです。

L-カルニチン

AAProject Club

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AAProjectClubの設立の目的

AAProjectClubは、会員に対し必要と思われる健康管理のための世界中の様々な研究情報を可能な限り提供する勉強会組織として位置づけ運営してまいります。

食の機能に対する研究は、最近特に盛んに行われるようになってきましたが、食の機能が医薬品のように医学的根拠基づく研究が乏しいのも事実ではないでしょうか。

AAProjectClubで提供される情報は、判断する際に専門的知識が要求されますので、個人会員の判断だけでなく、協力医療機関を始めとした医療従事者と相談されながら健康管理のネットワークの形成に心がけていただきたいと希望しています。

AAProjectClubは、会員と医療機関や医学研究会など健康管理のネットワーク形成の支援の場としても機能できればと願っています。


協力医療機関

※採用医療機関の情報は、最下部に記載の電子メールでお問い合わせください。



Ⅰ.L-カルニチン総説(海外での評価)

海外の一般的な臨床的摂取量は、1日2~3g(8~12粒)の摂取が必要です。健康状態や医薬品および他の食品(サプリメント等)との相互作用などに個人差がありますので、医師等医療従事者とご相談ください。

ⅰ.L-カルニチンの欠乏症
L-カルニチン欠乏症の原因
  • 食事における前駆物質である必須アミノ酸であるリジンおよびメチオニンの摂取不足
  • L-カルニチンヘの生合成においてリジンの酵素が必要とする補足因子(鉄、アスコルビン酸、ピリドキシン、ナイアシン)の不足
  • 遺伝的なL-カルニチン生合成不全
  • 小腸におけるL-カルニチン吸収不全
  • L-カルニチンの生合成を損なう肝臓や腎臓における機能障害
  • 異化作用、尿細管吸収の低下、遺伝的欠陥などによる、代謝におけるL-カルニチンの減少の増加
  • L-カルニチンか生合成される組織から、最も利用される組織への輸送における欠陥
  • 高脂肪食、薬物(高痙攣剤や抗生物質のある種の薬剤など)、代謝的付加、疾患によるL-カルニチン必要量の増加

L-カルニチン欠乏症は様々な原因によって起こる。

L-カルニチン欠乏状態は次の2つのグループに分類されてきた。
  • 全身型L-カルニチン欠乏症
  • 筋型L-カルニチン欠乏症

全身型L-カルニチン欠乏症は、血清もしくは24時間尿サンプルを使い、総量、遊離、エステル化のそれぞれのL-カルニチンレベルを測定した上で診断される。筋型L-カルニチン欠乏症の場合、診断には筋生検を要する。

これまでのところ、原発性の全身型L-カルニチン欠乏症患者は特定されていない。全身型L-カルニチン欠乏症はすべて、L-カルニチン合成の不足ではなく、その他の原因によって2次的に発生している。

全身型L-カルニチン欠乏症は、骨格筋、心筋、肝臓における脂質代謝や脂質蓄積の障害が原因と考えられている。すべての患者に、脂質貯蔵ミオパシーによる進行性の筋肉脆弱が見られた。大人の場合、おそらく補助的な非ミトコンドリア酸化機序が刺激されることで、ある程度の適応が生じる。この適応は、飢餓、糖尿病、高脂肪食、その他の2次的L-カルニチン欠乏症が原因によって発生する。全身型L-カルニチン欠乏症は普通、L-カルニチンの経口摂取に劇的に反応する。

子どもの場合、大人のように低L-カルニチンレベルに適応することはできないと思われる。子どものL-カルニチン欠乏症において、ライ症候群に似た臨床像(脂質蓄積による肝機能の変化に伴う急性脳障害)を呈した症例がいくつか報告されている。

子どもにおける2次的なL-カルニチン欠乏症の臨床症状には、低血圧、成長不全、反復性感染症、脳障害、非ケトン性低血糖症、心筋症などがある。いくつかの致命的な全身型L-カルニチン欠乏症の例が報告されている。

原発性の筋型L-カルニチン欠乏症の場合、骨格筋内のL-カルニチン代謝に先天的な異常がある。異常は骨格筋内へのL-カルニチンの輸送にあるらしく、その他の組織でのL-カルニチンのレベルは正常である。その結果、深刻な脂質貯蔵ミオパシーが起こる。

L-カルニチンの補充は普通、脂質貯蔵ミオパシーにはまったく効果がない。むしろ、中鎖トリクリセリドを多く、長鎖トリクリセリドを少なくした食事による改善が報告されている。

ⅱ.L-カルニチンの臨床応用

古典的および2次的なL-カルニチン欠乏症だけでなく、多くの疾患症状において、L-カルニチンの投与は有益であると思われる。後述するが、L-カルニチンがL-カルニチン欠乏症状に有益である有力な裏付けとなる証拠がある。

L-カルニチンは様々なかたちのものが入手可能であるが、L-カルニチンのみ、またはそれに酢酸かフロピオン酸と結合させたものであることを必ず確認する必要がある。 D-カルニチンは決して使用してはならない(安全性の項で後述する)。どの型が最も有効であるかは、目的によって異なる。アルツハイマー病や脳に対しては、LACが最も有効と思われる。狭心症の場合、心筋はLACやL-カルニチン(LC)よりもL-プロビオニル-カルニチン(LPC)を好むため、こちらを選ぶのが最良と思われるが、日本ではL-カルニチンが医薬品としてだけではなく、2000年より効能・効果を謳わない条件で食品としても入手が可能となった。

L-カルニチンは食品として認められたが、医薬品(医療機関だけでなくOTCで販売される医薬品も含む)や他の食品(サプリメントなどいわゆる健康食品)などとの相互作用が予測されるため、医師や薬剤師など医療従事者と相談しながら摂取することが望まれる。

L-カルニチンの補充が有益であると思われる症状
  • 神経性食思不振症(Anorexia;拒食症)
  • 身体活動の向上(Athletic Performance;運動能力)
  • 循環器病(Cardiovascular Disease;心疾患)
  • 末梢性血管病(Peripheral Vascular Disease;末梢性血管病)
  • 心原性ショック(Cardiogenic Shock;心原性ショック)
  • 心筋症(Cardiomyopathy;心筋症)
  • 狭心症
  • 心筋梗塞(Myocardial Infarction ;心筋梗塞)
  • 不整脈
  • うっ血性心不全
  • 心臓壊死
  • 薬物誘発による不整脈および心毒性
  • 家族性心内膜繊維弾性症
  • 心筋症
  • 原発性僧帽弁逸脱
  • 高脂血症(Hyperlipidemia;高脂血症)
  • コレステロール値の上昇
  • トリグリセリド値の上昇
  • アルツハイマー病、老年性うつ病、加齢による記憶障害
  • ダウン症候群
  • 腎臓病と血液透析(Renal Failure/Dialysis;腎不全/血液透析)
  • 糖尿病(Diabetes/Insulin Resistance;糖尿病/インスリン抵抗性)
  • 肝臓病
  • 脂肪肝(Fatty Liver;脂肪肝)/アルコール誘発性脂肪肝
  • 肝炎(Hepatitis;肝炎)
  • 肝硬変
  • 肝硬変由来の肝性脳症(Hepatic Encephalopathy from Cirrhosis;肝硬変由来の肝性脳症)
  • エイズ(HIV and Immunity;HIVと免疫)
  • 甲状腺機能亢進症(Hyperthyroidism (甲状腺機能亢進症)
  • 筋ジストロフィー
  • 精子数および精子運動率の低下
  • 慢性閉塞性肺疾患
  • 疲労
  • 癌に由来する疲労(Cancer-Associated Fatigue;癌性疲労)
  • 慢性疲労症候群(Chronic Fatigue Syndrome;慢性疲労症候群)
  • 未熟児における呼吸困難(Respiratory Distress in Premature Infants;未熟児呼吸窮迫症候群)
  • 減量(Weight Loss;体重減少)
  • 先天性アミノ酸代謝異常
  • 有機酸尿症
  • グルタル酸尿症
  • イソ吉草酸血症
  • プロピオン酸血症
  • メチルマロン酸血症
1.生殖細胞(卵子および精子)研究

(1)精子数および精子運動率の低下

ヒトの精子におけるエネルギー代謝には、高濃度のL-カルニチンが不可欠である。いくつかの研究によって、精液における遊離L-カルニチンのレベルは、精子の数や運動率と逆相関していることが立証されている。つまり、L-カルニチン含量が低いほど、男性が不妊である可能性が高い。

L-カルニチンの精子における生理的な役割と、男性不妊への関連を受けて、近年、精子数および精子運動率が低下している男性に対するL-カルニチンの治療的効果を測定するための研究が行なわれた。不妊のために来院した男性のうち選ばれた100人により、「Italian Study Group on carnitine and male infertility」が実施された。各被験者には、毎日3,000mgのL-カルニチンを4ヵ月間投与した。

研究の結果により、L-カルニチンは精子の数と運動量を質、量ともに増加させることが示唆された。

  • 射精された精子の数は1,420万から1,630万に増加
  • 精子運動率は26.9%から37.7%に上昇
  • 迅速に直線的に進行する精子の割合は10.8%から18%に増加
  • 精子速度の平均は28.4%から32.5%に上昇

これらの結果は、精子運動率が非常に低い患者のみを対象にした場合、より顕著であった。この部分群では、すべての項目でいっそう有意な利益が見られた。たとえば、精子の運動率は19.3%から40.9%に上昇し、迅速に直線的に進行する精子の割合は3.1%から20.3%に増加した。

Oral administration of L-carnitine (3g daily for four months) resulted in significant improvements in sperm number, quality, and motility in patients with inadequate sperm.[56,57] In another double-blind, crossover trial, 100 infertile males were supplemented with 2g L-carnitine daily or placebo for two months, followed by a two-month washout period, and finally two months on the opposite treatment.
L‐カルニチン ( 4ヵ月、毎日3g ) の経口服用は、精子数、精子の質、および不適正な精子の患者における著明な改善が結論付けられた。他の男性不妊症100 人の二重盲検クロスオーバー試験では、毎日2gあるいは、偽薬を2ヵ月の偽薬を2ヵ月のウォッシュアウト期間後に、最終的に反対の治療に従ってL‐カルニチンサプリメントが摂取された。[56,57]

Statistically significant improvements in sperm count and motility were observed in the L-carnitine group.[58] The same researchers conducted a second study on 56 infertile males and found the combination of L-carnitine (2g daily) and acetyl-L-carnitine (1g daily) led to significant improvement in sperm motility.[59]
精子の数、および運動性における統計上有意の改善は、L‐カルニチン 投与群において観察された。[58] 同じ研究者は、56 人の男性不妊症の第2の研究を実施し、L‐カルニチン ( 毎日2g ) 、およびacetyl-L-carnitine ( 毎日1g ) のコンビネーションによって精子運動性を著明改善した。[59]


(2)体外成熟培養におけるウシ卵母細胞の細胞質成熟におよぼすカルニチンの効果.

カルニチンは、長鎖脂肪酸のミトコンドリアへの輸送に関与し、β酸化による効率的燃焼を促進してエネルギー供給活発にすることから、種々の細胞の増殖・機能の促進やアポトーシスの抑制効果をもつことが知られている。本研究では、体外成熟培養(IVM)期間におけるウシ卵丘細胞卵母細胞複合体(CEO)のカルニチン処理が、卵母細胞の成熟および受精後の発生に及ぼす影響について検討した。

IVM期間にカルニチン処理することによって、CEOの成熟・受精後の胚盤胞への発生が無処理対象群に比べて促進されたことから、カルニチンは卵母細胞の細胞質成熟促進効果を持つことが明らかとなった。その効果は。濃度、依存的であり受精後8日目における胚盤胞発生率は50mMで最高値を示した(0mM 23.5%, 50mM 42.5%)。さらに、カルニチンは、受精後6日目に胚盤胞へ到達する割合(0mM 5.8%, 50mM 31.95%)も高めることも明らかとなった。また、LM-PCRの測定結果から、カルニチン(50mM)はIVM期に起こる卵丘細胞のアポトーシスを抑制し、その生存率を高めることが判明した。


(3)体外成熟培地へのカルニチン添加がブタ卵母細胞の核成熟に及ぼす影響

【目的】ブタ卵母細胞中には多量の脂質が蓄積されているが、体外成熟に及ぼす脂質代謝の影響は明らかではない。本研究では、カルニチン添加がブタ卵母細胞の体外成熟に及ぼす影響を検討した。

【方法】ブタ卵巣の直径3~6mmの表層卵胞から卵丘細胞卵母細胞塊(COCs)を採取した。化学組成の明らかなBSA不含成熟培地(修正NCSU37-PVA)を基礎培地として、様々な濃度(0, 5, 10, 20mM)のカルニチンの存在下で既法(前半20時間のみゴナドトロピン・dbcAMP添加)に従い合計44時間の体外成熟培養を行った。また、グルコース不含の修正NCSU37-PVAを用いて同様の実験を行った。成熟培養終了後、裸化した卵母細胞を固定・染色し、それぞれの核相を観察した。

【結果】修正NCSU37-PVAを基礎培地とした場合、カルニチン添加区における卵母細胞の卵核胞崩壊率に差は認められなかった(95.2~97.2%)が、カルニチン10mM添加区の成熟率は、カルニチン未添加区より高かった(91.6% vs 81.5%, p<0.05)。グルコース不含修正NCSU37-PVAを用いた場合、カルニチン添加区の卵母細胞の卵核胞崩壊率および成熟率(それぞれ63.4%および15.6%)は、カルニチン未添加区のそれら(それぞれ10.8%および0.6%)と比較して高かった(p<0.05)。

【結語】以上のことから、成熟培地へのカルニチン添加は、グルコースの存否に関わらずブタ卵母細胞の核成熟を促進することが明らかになった。


(4)【症例報告】難治性排卵障害患者にL-カルニチンとデヒドロエピアンドロステロンが奏功したと思われる一症例

【要旨】HMG-HCG療法による排卵誘発法に抵抗性であった難治性排卵障害を有する患者に,L-カルニチン(LC)とデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)を投与後HMG-HCG療法を行い,排卵,妊娠成立をみた一症例を報告する.

(日本補完代替医療学会誌 第6巻 第2号 2009年6月:119-121;西ウイミンズクリニック)

Successful Ovulation Induction and Pregnancy with Administration of L-carnitine and Dehydroepiandrosterone in a Case of Serve Ovulatory Disorder


(5)排卵の繰り返しによる老化卵子と卵子の機能変化

ヒトは最大400回程度排卵しうるが、排卵回数の増加に伴い閉経する。これまでに排卵時に成熟卵胞の顆粒膜細胞が活性酸素を産生放出し、この酸化ストレスにより卵胞壁が崩壊して卵子を腹腔へ放出することを報告してきた。多くの卵子を強制的に排卵させる過排卵処理は、卵巣や卵子に強い酸化ストレスを負荷すると考えられる。

本研究では、連続過排卵による卵巣老化と卵子機能変化を解析した。3週齢の雌BDF1マウスにPMSGを5IU投与した48時間後にhCGを5IU投与して過排卵を誘発した。hCG投与14時間後に卵子・卵丘細胞複合体を回収し、0.1%ヒアルロニダーゼ処理により卵丘細胞を除去した。

PMSG/hCG投与19時間後に25IUのPGF2αを腹腔内投与し、5時間後にPMSG/hCG投与をして過排卵処理を繰り返した。この際に採取した卵子のNRF-1とTfamのmRNAの動態をRT-PCRにて解析した。また、各卵子のミトコンドリアと細胞骨格系蛋白を染色して共焦点レーザー顕微鏡で観察した。

過排卵処理を繰り返して得られる卵子を用いて体外受精を行い、その発生動態を解析した。解析の結果、過排卵処理回数が増えるにつれて排卵数が減少することが判明した。マイトトラッカーにより解析した結果、排卵を繰り返すと卵子のミトコンドリアは偏在化する傾向が認められ、膜電位も低下する傾向が見られた。多数回の過排卵により卵丘細胞と卵子との結合能が低下する可能性が示された。

アポトーシスの抑制作用を有するカルニチンを投与したマウスでは、5回目以降の過排卵処理でも排卵数が多く維持された。過排卵処理を繰り返すことにより体外受精時の発生率が低下してくるが、カルニチン投与群では発生率が良好であった。これらの所見は、排卵による酸化ストレスが卵子のミトコンドリア機能を低下させること、これが体外受精時の問題となりうること、およびカルニチンが改善効果を有することを示唆する。


(6)ARTと統合医療-当院における統合医療システム-

統合医療とは、近代西洋医学(通常医療)と伝統医学や補完、代替医学(補助医療)を合わせて患者を治療することである。

当院では以前より漢方療法、カウンセリング(心理、栄養、遺伝)、メラトニン、DHEAなどのサプリメントやフィットネス、フラダンスなどの運動療法、低反応レーザー療法(LLLT)、鍼灸など理学療法を行ってきた。しかし、補助医療は単独での効果には限度があると考えられる。したがって複数の補助療法を患者の体質、生活習慣、嗜好に合わせて系統的に組み合わせる必要性があると考えられる。

そのためには多様な治療法を用意して提供する必要性がある。またready madeのプロトコールを準備するだけでは不十分で患者個人にあわせてmodifyしていく必要性があると考える。当院では2011年3月から9つの統合医療プログラムを用意し、コーディネーターによるfollow upシステムを実践している。今回その現況を紹介する。また統合医療においては効果発現に個人差があるなどの理由でそのevidenceの評価が困難とされている。漢方医療のように長年にわたる伝統に裏打ちされた伝統医学も存在するが、やはりひとつひとつそのevidenceを蓄積することが肝要と考えられる。

今回は当院の各補助療法からみた妊娠成績、およびLLLT、メラトニン、DHEA、Lカルニチンについては施行前後の体外受精成績を比較して報告する。

LLLT成績:IVF反復不成功例53例(平均39.6±3.6才、LLLT前97周期、LLLT後75周期)を対象として。子宮内膜厚はLLLT前後で有意差を認めなかった。(9.9±1.8mm vs 10.1±1.7mm)。妊娠率はLLLT前に比し、LLLT後の方が有意に高かった。(9.3% vs 26.7%;p<0.05:分割期胚移植;4.6% vs 14.7%、胚盤胞移植;20% vs 38.5%、2段階胚移植;17.6% vs 33.3%)

メラトニン成績:胚質不良例80例160周期(平均41.0±4.8才)を対象とした。分割期胚移植可能率(44.4% vs 51.6%)および胚盤胞到達率(30.2% vs 43.8%)はメラトニン投与前に比し投与後に高値傾向であった。良好胚盤胞到達率(0% vs28.6%、p<0.05)はメラトニン投与前に比し投与後に優位に高値であった。

DHEA成績:Poor responder41例82周期(平均42.3±4.6才)を対象とした。採卵数(1.6±1.3 vs 2.8±1.9、p<0.05)、M2卵数(1.3 ±1.3 vs 2.2±1.5、p<0.05)はDHEA投与前に比し有意に上昇した。

Lカルニチン成績:28例56周期(37.3±3.8才)を対象とした。胚盤胞到達率(16.2% vs 69.3%;p<0.01)および妊娠率(25.0% vs 64.7%;p<0.05)はLカルニチン投与前に比し投与後に優位に上昇した。

(第30回日本受精着床学会総会・学術講演会;2012年8月30日~31日;大阪国際会議場;ワークショップ(臨床3「ARTと統合医療」:抄録集:140;医療法人三慧会 IVF大阪クリニック1)、医療法人三慧会 IVFなんばクリニック2) 井田 守1)ほか)


(7)胚質不良例に対するL-カルニチンの有効性に関する検討

【目的】L-カルニチンは、長鎖脂肪酸を燃焼の場であるミトコンドリアに運搬する際に必要な生体成分であり、ミトコンドリア機能を改善し、β酸化による効率的燃焼を促進、エネルギー供給を活発にし、種々の細胞増殖機能の促進効果を持つ事が知られていた。また、卵子の質がミトコンドリア数や胚の呼吸能(ミトコンドリア機能)と相関している可能性も報告されている。そこで今回、胚質不良により胚移植や妊娠に至らなかった症例に対し、L-カルニチンを投与することで次回の体外受精における効果を検討した。

【方法】2010年5月から2012年2月までの期間に、体外受精において胚質不良を認めた111周期28例(平均年齢39.1歳)の患者を対象とした。L-カルニチン1000mgを連日投与し、L-カルニチン投与前途投与後の体外受精周期における採卵数、卵成熟率、受精率、分割期移植可能胚率、胚盤胞到達率、良好胚盤胞率、胚移植あたりの妊娠率を比較検討した。

【結果】投与後の周期で採卵数、成熟率、分割期移植可能胚率には有意差を認めなかった。受精率(78.5% vs 83.8%;p=0.71<発表の数値に修正しています>)、胚盤胞到達率(30.9% vs 50.0%;p<0.05)、良好胚盤胞率(14.3% vs 40.0%;p<0.01)は、投与後の周期において有意に上昇した。また、胚移植あたりの妊娠率も有意に上昇する結果となった。(19.0% vs 51.7%;p<0.05)

【考察】L-カルニチンの摂取により採卵数、成熟率、分割期移植可能胚率には差はないものの、受精率、胚盤胞到達率、良好胚盤胞率、妊娠率が有意に上昇していたところから、L-カルニチンは胚質不良により胚移植や妊娠に至らなかった症例に対し有効であることが示唆された。

(第30回日本受精着床学会総会・学術講演会;2012年8月30日~31日;大阪国際会議場;ポスター35:抄録集:226;医療法人三慧会 IVF大阪クリニック1)、医療法人三慧会 IVFなんばクリニック2) 小倉 里香1)ほか)

(日本IVF学会誌 2013;16(1):42-45:IVF大阪クリニック1)IVFなんばクリニック2)、小倉 里香1)ほか)


(8)L-カルニチン添加体外成熟培地を用いたマウス未成熟卵子由来初期胚が発生に与える影響

【目的】マウス卵子の細胞内運搬経路およびマウスの体外での初期胚発生におけるβ酸化抑制効果としてL-カルニチンは密接な関係があるとされている。本実験では、L-カルニチンを添加した体外成熟培地を用いて、マウス未成熟卵子への体外成熟および体外受精操作を行い、その後の初期胚の発生改善に与える影響を検討した。

【材料および方法】体外成熟操作は、成熟齢雌ICR(㈱紀和実験動物研究所)にPMSG7.5単位を腹腔内投与した。46時間後に卵巣を細切することで未成熟(GV期)卵子を回収し、0.1%ヒアルロニダーゼにて卵丘細胞を除去し裸化GV期卵子を回収した。私たちの開発した、mTaM培地(西村ら、2010)に、L-カルニチン1mM、2mM、5mM、10mMの各濃度を添加して体外受精を行った後、常法に従い体外受精を実施した。

【結果および考察】各濃度L-カルニチンを添加したmTaM培地を用いた体外受精率は83~90%であり、非添加区(92%:905/987)との有意差は認めず正常に発生した。次に、体外成熟を経て正常に発生した卵子の体外受精成績は、それぞれ69~80%であり、非添加区(71%:635/889)との有意差は認めなかった。続いて、胚盤胞期胚への発生成績は、それぞれ24~46%であり、2mM添加成熟培地(46%:136/293)および5mM添加成熟培地(37%:101/272)では、非添加区(26%:129/499)と比較し初期胚の発生に改善を認めた。さらに、初期胚の発生が改善された、2mML-カルニチン添加区において胚移植を行い正常な産子への発生を認めた。これらの結果から、体外成熟培地への適切な濃度のL-カルニチン添加は、胚盤胞期胚への 発生を有意に改善することが示唆された。

(第30回日本受精着床学会総会・学術講演会;2012年8月30日~31日;大阪国際会議場;ポスター35:抄録集:245;近畿大学 生物理工学部1)、近畿大学大学院2)、株式会社紀和実験動物研究所3) 北原 直弥1)ほか)


(9)【Letter to the Editor】体外受精反復不成功の妊娠・出産例:L-カルニチン含有食品の有用性に関する一考察
【Letter to the Editor】A Case of Successful In Vitro Fertilization, Pregnancy and Delivery: A Consideration of the Usefulness of the L-carnitine-containing Foodstuff

(日本補完代替医療学会誌 第10巻 第2号 2013年9月:127-128;金沢大学大学院医薬保健学総合研究科臨床研究開発補完代替医療学講座1)、永遠幸レディスクリニック2)、鈴木信孝1)ほか)


(10)精液所見と精漿総カルニチン濃度 の相関についての検討

魚住卓矢1、王堂哲2、緒方洋美1、岩崎利郎1、松本由紀子1、苔口昭次1、高津寛2、山口耕平1、石川智基1、塩谷雅英1
1: 英ウィメンズクリニック、2: 株式会社AAプロジェクト

【目的】 精漿中のカルニチン濃度は、精子濃度および精子運動率と正の相関をもつことが諸外国から報告されている(Sheikh et al. 2007)。しかし、 日本人男性における精漿カルニチン濃度と精液所見との関連を示し検討した報告は少ない。そこで、今回我々は、精漿総カルニチン濃度の測定を行い、精子濃度および運動率との相関性を検討したので報告する。

【方法】 2013年5月~7月までに男性不妊外来を受診した患者のうち検査に同意を得た69例を対象とした。これら69例をWHOラボマニュアル第4版を基準に、A群(n=25);正常精液、B群(n=17);乏精子症(精子濃度 が20×106/mL未満)、C群(n=3);精子無力症(前進運動精子が50%未満)、D群(n=16);乏精子かつ精子無力症(B群且つC群)、E群(n=9);無精子症(精液中に精子を認めない)の5群に分けて検討した。精漿は、-20℃にて凍結保存し検査に供した。精漿総カルニチン濃度は、アシルカルニチンエステラーゼによってアシルカルニチンを遊離体に誘導し た後、酸化還元酵素系反応を用いた吸光度によって測定した。

【結果】 総カルニチン濃度(平均値±SD)は、A群574.8±276.4μM、B群326.1±176.4μM、C群498.4±279.7μM、D群398.7±224.6μM、E群286.0±149.6μMとなり、A群と比較し、B群、D群、およびE群で、有意に少なくなった。また、総カルニチン濃度は、精子濃度および運動精子濃度との間に正の相関(R=0.443とR=0.424)を認めた。一方、運動率は総カルニチン濃度との間に相関関係は認めなかった。

【考察】 精液所見正常精液と比較し乏精子症、乏精子・精子無力症および無精子症患者の精液では、精漿カルニチン濃度が低下することが示唆された。また、精漿カルニチン濃度と精子濃度および運動精子濃度との間には正の相関が存在することが示唆された。今後は、カルニチンをサプリメントとして摂取することで精液所見の改善が見られるかどうか検討していく予定である。

(第13回 生殖バイオロジー東京シンポジウム;2014年7月27日:ポスター賞受賞、日本IVF学会誌 2014;17(2):67)


(11)周産期

新生児の生存と正常な発達に長鎖脂肪酸の酸化が非常に重要であることが知られています。胎児と臍帯(へその緒)の血中L-カルニチン濃度が母体の血中濃度より高いことがわかっています。その理由は、胎児にL-カルニチンの生合成機能の発達が不十分であると考えられていますので、胎児期から新生児の初期のL-カルニチン濃度は母体からのL-カルニチン供給に強く影響されます。

また、妊婦においても妊娠していない女性と比べ低い濃度であることがわかっております。その理由は、前述の胎児と臍帯血のL-カルニチン濃度の状態から容易に推察できます。

2.糖尿病

糖尿病の悪者は、血清L-カルニチン濃度が減少するものの、骨格筋のL-カルニチン濃度は正常であると報告されている。糖尿病患者には、アテローム硬化性の循環器病のリスク上昇と、腎機能および肝機能の低下が見られるため、L-カルニチンの補充は妥当であると思われる。

カルニチン(とくにLPC)はまた、糖尿病患者の神経機能および末梢血管機能を著しく改善させることが証明されている。神経伝達における改善は、主として伝導速度の有意な上昇に起因している。

Healthy volunteers and type 2 diabetics received an infusion of L-carnitine or saline, after which plasma glucose and insulin levels were analyzed. Insulin-mediated glucose uptake was significantly higher in both groups receiving L-carnitine compared to the saline groups, indicating improved insulin sensitivity from carnitine.[44]
健康なボランティア、および2型糖尿病患者は、L‐カルニチンまたは、生理食塩水を注入後に、血漿グルコース、およびインスリンレベルが分析された。インシュリンに仲介されたグルコース取り込みは、生理食塩水群と比べると L‐カルニチン投与群の双方において著しく高く、カルニチンからインスリン感受性が改善されたことを示した。[44]

A small study found 500-mg intramuscular injections of L-carnitine twice daily for 15 days resulted in improvement in painful diabetic neuropathy.[45]
15日間毎日 2 回 L‐カルニチンの 500-mg 筋肉注射した小研究は、疼痛を伴った糖尿病性神経障害における改善作用を確認した。[45]

3.疲労(Fatigue;疲労)

(1)癌に由来する疲労(Cancer-Associated Fatigue;癌性疲労)

In a small study, 15/18 cancer patients presented with carnitine deficiency, which was postulated to be a significant cause of fatigue in this population.[12] Dosage began at 250mg/day, increasing in increments of 500mg, to a maximum dose of 3g daily.
小さな研究において、がん患者のカルニチン欠乏症は18分の15症例に示され、この母集団において有意な疲労原因と推察された。[12] 投与は250mg/ 日から始められ、毎日3gの極量まで500mg ずつ増加した。

After one week of supplementation, patients experienced significant improvement in fatigue, depression, and sleep quality.
サプリメント服用1 週間後、患者は、疲労、抑うつ、および睡眠の質において著明改善を経験した。


(2)慢性疲労症候群(Chronic Fatigue Syndrome;慢性疲労症候群)

Thirty-five patients with chronic fatigue syndrome (CFS) were found to have low free carnitine, total carnitine, and acylcarnitine compared to controls, with a statistically significant correlation between total and free carnitine levels and clinical symptomology. [46] In a crossover study,[30] patients with CFS were treated with L-carnitine or amantadine (a drug that provides benefit for fatigue in patients with multiple sclerosis).
慢性疲労症候群 ( CFS ) の 35 人の患者は、コントロールと比べるとフリーカルニチン、総カルニチン、および アシルカルニチンが低いことが分かった。総カルニチン、およびフリーカルニチンレベル、および臨床症状額の間の統計学的に有意な相関関係が認められた。[46]クロスオーバー研究においても、[30]CSFの患者は、L‐カルニチンまたは、アマンタジン ( 多発性硬化症の患者における疲労有益な薬剤 ) で治療された。

Each substance was administered for two months with a two-week washout period.
各物質は、2 週間のウォッシュアウト期間を含んだ2ヵ月間服用された。

Half of the patients dropped out of the study, mainly due to intolerance of the amantadine.
However, the carnitine supplementation resulted in only one dropout and improvement in 12 of 18 parameters studied.[47]
主にアマンタジンの不耐性のために、患者の半分は研究からドロップした。
しかしながら、カルニチンサプリメント服用においては、わずかに1例が脱落したが、18例中12例のパラメータに改善が認められた。[47]

4.循環器病(Cardiovascular Disease;心疾患)

正常な心臓機能には、適切な濃度のL-カルニチンが不可欠である。心臓におけるL-カルニチンの欠乏は、燃料ポンプなしの自動車を走らせるようなものである。いくら燃料があっても、それをエンジンに運ぶすべがない。正常な心臓は必要量以上のL-カルニチンを貯蔵しているが、もし心臓に充分な酸素が供給されなければ、L-カルニチンのレベルは直ちに減少する。酸素の欠乏は心臓におけるエネルギー生産を減少させ、狭心症と心臓病の危険性を増加させる。

L-カルニチンは、心筋による酸素利用とエネルギー代謝を改善させる働きから、狭心症の改善に有効である。また、脂肪酸の利用とエネルギー生産を改善させることによって、有毒な脂肪酸代謝物の生産を阻止し、同時に体外に排出させる。脂肪酸代謝物は、細胞膜の機能を低下させる非常に有害な化合物である。心臓における細胞膜の性質の変化は、心筋収縮障害を引き起こし、不整脈の罷患率を上昇させ、最終的に心臓組織の破壊につながると考えられている。L-カルニチンを含む食事の補充は、心臓におけるL-カルニチンのレベルを上昇させ、心臓に有害な脂肪酸代謝物の生産を抑制することが証明されている。L-カルニチンによるこれらの効果は、狭心症だけでなく、心臓発作からの回復、不整脈、うっ血性心不全においても有益である。

L-カルニチンはまた、血中のトリクリセリドや総コレステロール値を低下させ、HDL-コレステロール値を上昇させるため、血中脂質においても有益な効果を発揮する。血中脂質が上昇した患者に対して、4ヵ月問L-カルニチンによる治療を施したところ、典型例で、総コレステロール値が20%、トリクリセリド値が28%減少し、HDLレベルが12%増加した。L-カルニチンは、その他の天然剤(メゾイノシトール-ヘクサニコチン酸、ニンニク、ググリピッドなど)に比べて高価であるため、まずこれらの費用効率の高い処置での反応を見てから使用すべきである。

L-カルニチンはまた、間欠性跛行の治療にも有効であることが証明されている。この症状は狭心症に似ているが、心臓ではなくふくらはぎの筋肉が痛む。狭心症と同様、痛みは痙攣や筋肉の張りで表現される。痛みの原因は、酸素運搬量の減少と、毒性代謝物と細胞性フリーラジカルの生産量の増加である。末梢血管疾患におけるL-カルニチンの有益性は、血流に対する効果というよりもむしろ、虚血におけるエネルギー生産が改善された結果である。それでもなお、間欠性跛行やその他の末梢血管疾患において良い結果が認められている。


Angina and Ischemia L-carnitine (oral doses ranging from 900-3,000mg daily) has been shown to moderately improve exercise tolerance and reduce ECG indices of ischemia in patients with stable angina.
狭心症と虚血におけるL ‐カルニチン ( 毎日 900〜3,000mgの範囲の経口量 ) は、運動耐容性を適度に向上させ、安定狭心症で患者における虚血の心電図の虚血インデックスを減少させると示された。

Estimates suggest upward of 22 percent of subjects might become angina-free during supplementation periods.
見積りは、研究目的の22 パーセント以上の推定値がサプリメント摂取期間の間、虚血がなくなることになるであろうことを示唆する。

Increasing benefits are often observed with longer supplementation.[22-25] Angina patients receiving L-carnitine have experienced functional improvement, including a reduction in the number of premature ventricular contractions at rest, an increase in maximal systolic arterial blood pressure, and a reduction in ST-segment depression during maximal effort.
増加している利益は、サプリメントによって.[22-25] (狭心症患者がL ‐カルニチンによって受けている心室性期外収縮、最高の収縮期動脈血圧力の増加の数、およびST部抑制の減少の減少を含む機能的な改善を経験した ) と共にしばしば観察される最高の結果である。

In addition, a concomitant increase in the number of patients belonging to class I of the NYHA classification (as opposed to classes II and III) and a reduction in the consumption of cardioactive drugs has been reported.[26] In subjects with ischemia-induced NYHA II or III cardiac insufficiency, L-carnitine supplementation (1g three times daily for 120 days), in addition to the usual medications (digitalis, beta-blockers, calcium antagonists, nitrates), resulted in improvements in exercise performance and hemodynamic parameters.
Benefits were maintained beyond the L-carnitine supplementation period.[27]
更に、NYHA分類のクラスⅠに属する患者の数が増加するNYHA 分類 ( クラスIIおよびIIIと対照して ) 、および 心臓に作用する薬剤消費が減少したと報告された。L‐カルニチンサプリメント(毎日1gを3回、120日間)は、NYHA II 、または、 III 分類の被検者の虚血性心疾患誘発不全を減少した。[26] 通常のものに加えて、薬物治療(ジギタリス、βブロッカー、カルシウム拮抗薬、硝酸塩)は、運動療法、および血液循環のパラメーターの改善を結論付けた。
その利益は、L‐カルニチンのサプリメント期間終了後も維持された。[27]


(1)狭心症

L-カルニチンが狭心症や心臓病を改善させることは、多くの臨床実験で証明されている(海外では、市販されている3つの型すべてが使用されている)。L-カルニチンの補充は、心臓のL-カルニチンレベルを正常化し、心筋が限られた酸素供給をより効率的に利用できるようにする。すなわち「狭心症が改善される」のである。改善は運動耐性と心臓機能において認められている。この結果は、L-カルニチンが狭心症における薬剤の代替として効果的であることを示唆している。

狭心症やその他の循環器病には、L-プロピオニル-カルニチン(LPC)が最も有効と思われる。LPCは、その他の型のカルニチンよりも早く心筋細胞に取り込まれる。ある研究において、LPC(静脈内で15mg/kg)は、心房ペーシング時のSTセグメントを12%、左心室拡張末期圧を50%有意に低下させ、心筋における虚血を減少させることが証明された。運動後の心臓機能の回復も、プラセボ群に比べてLPC群のほうがずっと早かった。

L-カルニチンやLACもまた、非常によい結果を示している。より大規模な研究として、運動誘発性の安定狭心症の患者200人に対し、標準的な治療のみ(ニトログリセリン、カルシウムチャンネルブロツカー、β-ブロッカー、高血圧治療薬、利尿剤、ジギタリス、抗不整脈薬、抗凝血剤、血清脂質低下薬など)、または1日2,000mgのL-カルニチンを組み合わせた治療を6ヵ月以上続けた。対照群と比較して、L-カルニチンを投与した患者たちは安静時の心室性期外収縮が有意に減少し、また、心臓の最大振動数が上昇し、最大収縮期血圧、心抽出量が減少し、ST-セグメントの低下が減少(L-カルニチン群70%の減少:対照群変化なし)したことにより、運動耐性が上昇していることもわかった。

LDL-コレステロール値(8%)やトリクリセリド値(12%)の減少も報告されている。これらの結果は非常に有意であり、標準的な薬物療法を受けている患者にL-カルニチンを利用するためのEBM(医学に基づく科学的根拠)を提供している。


(2)不整脈

二重盲検試験により、L-カルニチンを投与された狭心症患者には、従来の抗不整脈薬使用量の減少が見られた。


(3)うっ血性心不全

いくつかの二重盲検臨床試験により、L-カルニチンはうっ血性心不全患者の心機能を改善させることが証明された(この場合もLCやLACよりもLPが効果的であると思われる)。60人の軽度から中度(NYHA分類ⅡとⅢ)のうっ血性心不全患者を対象にした二重盲検試験でLPCとプラセボを比較したところ、LPCの有益性が証明された。対象となったのは3ヵ月以上ジギタリスと利尿薬で慢性的な治療を受けながらも、まだ症状を呈している48~73歳の男女である。この患者群から無作為に抽出された30人に対し、通常の治療に加えて、500mgのLPCを1日3回投与した。基礎症状に加え、30日、90日、180日後には、エルゴメータバイクを使った運動負荷試験による最大運動時間、および心エコー図法による左心室駆出率の測定が行なわれた。1ヵ月の治療後、LPCを投与した患者群は、対照群と比較して両方の測定値が有意に上昇し、その後、90日、180日と経つにつれ、上昇はますます顕著となった。上記時における最大運動時間の増加率はそれぞれ、16.4、22.9、25.9%であり、心室駆出率はそれぞれ8.4%、11.6%、13.6%上昇した。

類似した患者を対象にした別の二重盲検試験では、1日2回1gのPLCを180日間投与したクループにおいて、トレッドミルによる最大運動時間が16.4%上昇し、心室駆出率が12.1%増加した。


(4)心筋梗塞(Myocardial Infarction;心筋梗塞)

狭心症患者に有益であるのに加えて、L-カルニチンは心臓発作を起こした患者の回復を早める効果があることが証明されている。心臓発作後、退院した160人の患者を対象に行なった二重盲検試験では、毎日4gのL-カルニチンを投与されたグループには、対照群と比べて、心拍数、血圧、狭心症発作、心リズム障害、それに心臓機能障害の臨床的徴候において有意な改善が見られた。

イタリアでは、472人の患者を対象にしたより大規模な研究によって、さらなる利点が証明された。この研究の目的は、前側壁急性心筋梗塞の患者におけるL-カルニチン投与による長期的な左心室拡張への効果の評価であった。最初の5日間は、毎日9gのプラセボまたはL-カルニチンを静脈内投与し、その後12ヵ月間、毎日6gを経口投与した。入院中および退院時、そして急性心筋梗塞を起こしてから3、6、12ヵ月後に、左心室の容積と駆出率を調べた。急性心筋梗塞から1年後、L-カルニチン投与群にはプラセボ投与群と比べて左心室拡張に有意な減弱が見られた。また、L-カルニチン投与群は、入院時から3、6、12ヵ月にかけての拡張末期および収縮末期容量の増加率が有意に減少した。


Following a recent myocardial infarction (MI), a marked reduction in mortality was observed with 12-month supplementation of 4g daily L-carnitine (1.2%) when compared to controls (12.5%).
最近の心筋梗塞 ( MI ) の後で、4gの毎日の L‐カルニチン ( 1.2% ) の 12 ヶ月のサプリメント服用によってコントロール ( 12.5% ) と比較されたとき、死亡率の著しい減少が観察された。

Significant improvements were also noted in heart rate and anginal attacks.[34] Additional research confirms a benefit in terms of reduced mortality in individuals given L-carnitine following MI.[35-37]
著明改善は、心拍数や狭心症発作でも同様に注目に値された。[34] 追加研究では、心筋梗塞後のL‐カルニチンサプリメント服用期間の利点として死亡率減少した事を確認した。[35-37]


(5)その他

  • 心原性ショック(Cardiogenic Shock;心原性ショック)
    L-carnitine supplementation during cardiogenic shock improved metabolic acidosis and survival rate in hospitalized individuals.[30,31]
    心原性ショックにおけるL‐カルニチンのサプリメント服用が入院中の代謝性アシドーシスや生存率を改善した。[30,31]
  • 心筋症(Cardiomyopathy;心筋症)
    Long-term supplementation of L-carnitine (2g daily) for the treatment of heart failure caused by dilated cardiomyopathy resulted in improvement in survival rate, ejection fraction, Weber classification, maximal time of cardiopulmonary exercise test, peak VO2 consumption, arterial and pulmonary blood pressure, and cardiac output.[32,33]
    拡張型心筋症によって引き起こされた心臓不全の治療のための L‐カルニチン ( 毎日2g ) の長期のサプリメント服用は、生存率、駆出率、ウェバー分類、心臓や肺の運動試験の最高の時間、最大酸素消費量、動脈と肺の血圧、および心拍出量を改善した。[32,33]
5.腎臓病と血液透析(Renal Failure/Dialysis ; 腎不全/血液透析)

腎臓はL-カルニチン合成における主要部分であるため、腎臓病に対してはL-カルニチン補充の必要性が強く指導される。腎臓の損傷あるいは腎機能低下は、L-カルニチン代謝に深刻な影響を与える。血液透析を受けている患者は、L-カルニチン合成の減少に加え、透析中にかなりの量のL-カルニチンが失われるため、L-カルニチン欠乏に陥ることが立証されている。透析中、血清L-カルニチンのレベルは80%近くも降下する。

慢性腎不全のために、血液透析を受けている患者におけるL-カルニチンの補充に関しては、大規模な研究が行なわれている。これらの研究によると、L-カルニチンの補充によって、トリクリセリドレベルが減少し、HDLコレステロールのレベルが上昇したため、透析患者の心臓病に対するリスクの減少に有効であることが示唆された。L-カルニチンを投与した透析患者には、他にも以下のような有益性が見られた。

  • 透析中の狭心症および不整脈発症の消滅
  • 痙攣など筋肉症状の減少
  • 筋肉質量の増加
  • 血球容量、ヘモグロビン、赤血球数の増加によって示された、慢性貪血の有意な改善

血液透析に伴う賞血の治療において、この10年間で最も大きく進歩したのは、rHuEPO療法(recombinant human erythropoietin therapy;遺伝子組み換えヒト型エリスロポエチン療法)である。とはいえ、この療法は高価な上、副作用がないというわけでもない。海外の最近の研究では、L-カルニチン(透析作業終了都度、1gを静脈内投与)の6ヵ月問の投与により、rHuEPO療法の使用量が有意に減少しただけでなく、膜脆弱性と内在性EPOの分泌に改善が見られた。EPOは高価であるため、医師がこの方法に同意しない場合は、保険会社に相談し、透析ユニットにL-カルニチンを組み込むよう強制するべきであると提案している。


L-carnitine has been extensively studied for patients in renal failure.
L‐カルニチンは、腎不全患者のために広く研究された。

Supplementation, either orally or intravenously, mitigates some of the disorders associated with dialysis, including renal anemia, cardiac dysfunction, insulin resistance, lipid abnormalities, and oxidative stress.[60-63] Treatment for eight months with 1g L-carnitine three times weekly, administered IV during dialysis sessions, resulted in improved left ventricular ejection fraction.[64]
経口もしくは、静脈内のどちらか一方の投与によって透析と関連していたいくらかの異常や腎性貧血、心不全、インシュリン抵抗性、脂質異常、および酸化ストレスが緩和された。 [60-63] 人工透析期間中の8ヵ月間の週3回、1g静脈内投与による L‐カルニチン治療に関して左心室の駆出量のわずかな改善が結論付けられた。[64]

The National Kidney Foundation - Kidney Disease Outcome Quality Initiative recommends the use of L-carnitine for the treatment of anemia associated with chronic renal failure.[65]
国立腎臓基金-腎臓病 Outcome Quality Initiative は、慢性腎不全に付随する貧血治療にL‐カルニチンの使用を推薦すると報告した。[65]

6.肝臓病

L-カルニチンは、肝臓での脂肪酸の利用と代謝において非常に重要な役割を果たしている。肝臓におけるL-カルニチンの欠乏は、脂肪浸潤(脂肪変性、肝うっ血ともいう)を促進させるという証拠もある。

脂肪浸潤の一般的な原因はアルコールの摂取である。慢性的なアルコールの摂取は、L-カルニチンの機能性欠乏症につながると指摘されている。機能性欠乏症とは、周囲にL-カルニチンが豊富にあっても、まるで欠乏しているかのように機能が抑制されるという意味である。コリン、ナイアシン、システインなど、一般的に脂肪浸潤に利用される製剤の多くは、アルコール誘発性脂肪肝の解消にほとんど効果を示さない。ところがL-カルニチンは、アルコール誘発性の脂肪肝症を有意に阻止し反転させる。

L-カルニチンは普通、ミトコンドリア内での脂肪酸の輸送と酸化を促進させるため、アルコールの摂取あるいはその他の肝障害によって増加した付加脂肪酸に対応するには、肝臓におけるより高度なL-カルニチンレベルが必要である。L-カルニチンの補充は、肝硬変患者の遊離脂肪酸のレベルを低下させ、アルコール誘発性脂肪肝症における血清トリクリセリドや肝酵素のレベルを低下させ、HDLコレステロールを上昇させることが証明された。

脂肪浸潤に関連する肝障害、とくに、アルコールの摂取や生体異物(殺虫剤や除草剤など、生物過程に対する人工的な化学毒物)の被曝による変化において、L-カルニチンの利用は妥当と思われる。


  • Fatty Liver (脂肪肝)
    • L-carnitine ameliorates ethanol-induced fatty liver in animals; [ 48 ]  however, it has not been investigated in humans for this condition.
      L‐カルニチンは、動物においてエタノールによって誘発された脂肪肝を改善する; [48]しかし、それは、このコンディションのためのヒトにおいて調査されなかった。
  • Hepatitis (肝炎)
    • A study found plasma carnitine levels were significantly lower in children with chronic hepatitis B than in healthy controls. In addition, carnitine levels corresponded inversely to extent of liver fibrosis and inflammation.[49]
      研究は、血漿カルニチンレベルが健全なコントロールにおいてより慢性 B 型肝炎の子どもにおいて著しく低いということが分かった。更に、カルニチンレベルは、肝臓線維症、および肝炎の範囲と逆に一致した。[49]
    • In a single case report, a patient with hyperammonemia associated with a combination of hepatitis C, dialysis, and low free carnitine levels responded to IV L-carnitine.
      1つのケースレポートの報告では、C型肝炎や人工透析の合併症がある高アンモニア血症患者においては、低いフリーカルニチンレベルが IV L-カルニチンまで反応した。
    • Within three hours of a single 2g dose, the patient progressed from comatose to normal mental status.[50]
      2g単回服用の3時間以内に、その患者は昏睡から正常な精神的状態に改善した[50]
  • Hepatic Encephalopathy from Cirrhosis (肝硬変由来の肝性脳症)
    • L-carnitine (2g twice daily) or placebo was administered to 120 patients with hepatic encephalopathy for 60 days. Fasting serum ammonia levels were significantly lower at 30 and 60 days compared to baseline and placebo.
      L‐カルニチン ( 毎日 2gを2回 ) または偽薬は、120 人の肝性脳症の患者60日間与えられた。空腹時の血清アンモニアレベルは、ベースラインと偽薬を比べると 30日、および60日で著しく低かった。
    • Mental function was also significantly improved by L-carnitine, as measured by NCT-A, an accepted psychometric test for mental status in cirrhotic patients.
      NCT-Aという肝硬変の患者の精神的な状態のための精神測定のテストを受け入れられたことによって、精神的な機能はまたL-カルニチンによって著明に改善された。
    • The researchers speculate L-carnitine decreases brain and blood ammonia levels by stimulating ureagenesis.[51]
      その研究者は、 L‐カルニチンが 尿素形成を刺激することによって脳、および血中アンモニアレベルを減少すると推察した。[51]
7.末梢性血管障害(Peripheral Vascular Disease;末梢性血管病)

3つの型のカルニチン(毎日2~4g)はどれも、間欠性跛行患者に対して痛みなしに歩ける距離を改善することが証明されている。L-カルニチンによるふくらはぎの血流の改善は見られなかったため、おそらくこれは、筋肉におけるエネルギー代謝が改善された結果と思われる。LPCは、L-カルニチンやLACよりも優れた効果を提供すると思われる。とはいえ、ある二重盲検試験において、2gのL-カルニチンを毎日2回投与した患者は、わずか3週間の治療期間後、歩行距離が75%も増加した。

In a double-blind, crossover study of subjects with peripheral vascular disease, walking distance improved from an average of 174 minutes with placebo to 306 minutes with L-carnitine at a dose of 2g twice daily for three weeks.[28] In healthy subjects, L-carnitine was found to inhibit fatty-acid induced endothelial dysfunction intended to simulate that seen in obesity or type 2 diabetes.[29]
抹消血管疾患病の二重盲験クロスオーバー研究において、歩いて行ける距離は、偽薬服用群で平均 174 分からL‐カルニチン2g2回/日服用群を3週間服用で306 分まで改善した。 [28] 健常者における研究では L‐カルニチンは、肥満または2型糖尿病を意図したシミュレートで脂肪酸誘発による内皮性の機能障害を抑制することが見つかった。[29]

8.その他

(1)高脂血症(Hyperlipidemia;高脂血症)

L-carnitine (2-3g daily) resulted in improved lipid profiles in individuals with hyperlipidemia, with reductions in total and LDL-cholesterol and increased plasma apolipoprotein A-1 and B levels.
L‐カルニチン( 毎日 2〜3g )のサプリメント服用は、総コレステロール、およびLDL‐コレステロールの減少とアポリポ蛋白のA-1、およびBのレベルの上昇を伴った高脂血症を改善した。

Normalization of lipid levels occurred in a substantial number of subjects with continued supplementation for one year.[38,39] L-carnitine supplementation (2g daily) also decreased triglycerides in individuals with essential hypertension.[40]
脂質レベルの正常化は、1年間のL-カルニチンサプリメント継続服用による研究ではかなりの症例数が減少した。[38,39]その内容はL‐カルニチン ( 毎日2g ) サプリメント服用が本態性高血圧症を伴ったトリグリセリドが減少した。[40]

In a study of pediatric patients on dialysis, oral L-carnitine at 50mg/kg/day for 30 days resulted in significant decrease in apolipoprotein B levels, with no changes in other lipid parameters.[41]
30 日間の 50mg/kg/dayのL‐カルニチンの経口服用の小児の患者の透析研究では、アポリポ蛋白質 B レベルにおける有意の減少に帰着したが、他の脂質 パラメーターは変化がなかった。[41]

L-carnitine (2g daily) significantly reduced lipoprotein(a) (Lp(a)) levels in 14 of 18 subjects.
L ‐カルニチン ( 毎日2g ) は、 18 の主題の 14 で lipoprotein(a) ( Lp(a) ) レベルを著しく減少させた。

Reductions in Lp(a) were greater in individuals with more marked elevations prior to supplementation; in a significant number of subjects the reduction of Lp(a) resulted in a return to the normal range.[42] Similar results were found in hypercholesterolemic patients newly diagnosed with type 2 diabetes, with significant decreases in Lp(a) levels noted after three and six months of 1g L-carnitine twice daily. Other measurements taken but not significantly impacted by L-carnitine were body mass index, fasting glucose, postprandial glucose, glycosylated hemoglobin, LDL- and HDL-cholesterol, total cholesterol, triglycerides, and apolipoproteins A-1 and B.[43]

Lp(a) が減少したという報告は、サプリメント服用期間に極めて顕著に上昇し個々の報告において更に大きかった;  Lp(a) の減少したという著しい数の研究が正常な範囲に戻ったと報告した。[42] 同様の結果は、2型糖尿病と最近診断された 高コレステロール血症の患者においても1日1gを2日、L‐カルニチンを3ヵ月、または6ヵ月間服用後にLP(a)が著明に減少したと認められた。他の評価では、 L ‐カルニチンによるBMI、空腹時血糖値、食後血糖値、 グリコヘモグロビン、 LDLコレステロール、およびHDLコレステロール、総コレステロール、トリグリセリド、およびアポリポ蛋白質 A-1および、アポリポ蛋白質 Bの著明な変化は認められなかった。[43]


(2)アルツ八イマー病、老年性うつ病、加齢による記憶障害

この10年間、アルツハイマー病、老年性うつ病、加齢による記憶障害の治療におけるLACに関する非常に多くの研究が実施されてきた。前述したように、LACは酢酸とL-カルニチンが結合した分子である。この反応はヒトの脳で自然に起こるため、LACがL-カルニチンやPACと比べてどれだけ効果に優れているか、はっきりとはわかっていない。とはいえ、脳にかかわる症状において、LACは他の型のカルニチンよりも実質的な活性度が高いと考えられている。

LACは、記憶および適切な脳機能をつかさどる主要な神経伝達物質であるアセチル-コリンと構造的に関連している。アルツ八イマー病、それにより程度の軽い、通常の加齢したヒトの脳では、アセチル-コリンの利用に不具合が生じている。LACとアセチル-コリンは構造的によく似ているため、研究者たちはアルツ八イマー病においてLACの利用を試みることにした。結果は明るいものだった。

研究者たちはこれまでに、LACがアセチル-コリンを実際に模倣すること、そして、アルツハイマー病の初期段階の患者だけでなく、高齢者のうつ病や記憶障害にも有益であることを証明した。また、LACは脳細胞における強力な抗酸化剤として、アセチル-コリンの機能を亢進あるいは模倣するほか、細胞膜を安定させ、脳細胞におけるエネルギー生産を改善させる役割を果たすことも証明された。

アルツハイマー病の進行の遅延に関しては、際立った結果がでている。これらの研究はよく管理されていた上、非常に徹底していた。たとえば、ある研究では、アルツハイマー病患者130人に対し、LAC(2gを1日2回)またはプラセボを1年以上にわたって投与した。患者たちは、評定尺度、認知機能検査、記憶検査、医師による評価など、14種類の成果指標によって評価された。LAC投与群は、すべての例でよりよい成果スコアを得た。

記憶障害におけるLACの有益性の立証は、アルツハイマー病ほど厳密に行なう必要はなかった。詳細な臨床評価により、軽い痴呆とされた高齢者236人を対象にした二重盲検試験では、1,500mgのLACを毎日投与したグループには、とくに記憶と論理的思考において有意な精神機能の改善が見られた。

高齢者の多くがうつ病に苦しむのは、それまでの人生で喪失というものを多く経験した結果だけでなく、加齢に伴う脳の生化学的な変化のためでもある。抗うつ剤の科学的調査に準ずる評定尺度(ハミルトンうつ病評価尺度、臨床全般印象尺度、Sandoz臨床評価など)を利用した二重盲検試験により、LACは高齢被験者のうつ病を改善することが証明された。一般的な服用量は、500mgを1日3回であった。LACによる効果が最も大きいのは、たいていの場合、最もうつ病の評価値が高い高齢被験者であった。


(3)ダウン症候群

ダウン症候群とアルツハイマー病はどちらも、コリン作動性神経伝達物質の欠乏が特徴であることから、ダウン症候群の人びとに対してLACを90日間投与し、効果を評価する研究が実施された。所見は統計的に評価され、治療を受けていないダウン症候群と、別の原因による精神欠陥患者で、LACによる治療を受けた群と受けていない群の3つの被験者群とで比較した。治療を受けたダウン症候群の患者は、視覚的記憶、注意力において、絶対項および他のグループとの比較で、実質的に有意な改善を示した。ダウン症以外の精神欠陥被験者には改善が見られなかったため、LACによる好ましい効果はダウン患者に特定されると思われる。効果的な用量は、体重0.9kgごとにLAC20gである。これらの病理における作用は、LACの直接杓および間接的なコリン効果に関連していると思われる。


(4)エイズ(HIV and Immunity;HIVと免疫)

エイズ患者における全身型L-カルニチン欠乏症の問題がいくつか報告されている。エイズ患者には、血清中のL-カルニチンレベルの減少が非常によく見られる。とはいえ、さらに重要なのは、末梢血単核細胞(PBMC)におけるL-カルニチンの枯渇である。実際、血清L-カルニチンレベルが正常なエイズ患者でも、白血球細胞におけるL-カルニチンレベルは低下している。PBMCにおけるL-カルニチン含量の上昇は、リンパ球の機能を著しく改善し、免疫機能におけるL-カルニチンの重要性を強調した。

L-カルニチンは、筋肉細胞のミトコンドリアに対する薬剤アジドチミジン(AZT)の毒性を阻止することが証明された。AZTが筋肉のミトコンドリアを毒すると、筋肉におけるエネルギー生産に異常が起こり、筋肉疲労や痛みといった臨床症状が現われる。もしもL-カルニチンがとヒトエイズ患者に対するAZTの陰性効果を防ぐとしたら、エイズの臨床管理は大きく改善されるであろう。

予備的研究により、L-カルニチンの補充は免疫機能を改善し、HIVに誘発された免疫抑圧を軽減させることが示唆された。AZTによる治療を受けているエイズ患者に毎日6gのL-カルニチンを投与したところ、PBMCの増殖が有意に増加し、血中のトリクリセリドおよび循環する腫瘍壊死因子が減少した。全身性L-カルニチン欠乏症における著しい安全性を考えると、L-カルニチンの補充はエイズに対しても妥当であると思われる。


Daily infusions of L-carnitine (6g) for four months resulted in an increase in CD4 counts in HIV-positive subjects who were not taking anti-retroviral therapy.[52]
4ヵ月間毎日L-カルニチン(6g)の点滴により、抗レトロウイルス療法を取っていなかったHIV陽性の患者のCD4カウントの増加を結果として生じていた。[52]

Administration of L-carnitine (6g daily for two weeks) to AIDS patients treated with zidovudine (AZT) resulted in improved immunity and a reduction in serum levels of tumor necrosis factor-alpha.[53]
ジドブジン(AZT)によって治療されたAIDS患者にL-カルニチン(6g/日、2週間投与)は、免疫能やTNF-αの血清レベルの減少に結果としてつながり改善した。[53]

In another study on HIV patients on AZT and didanosine (DDI), a subgroup was assigned to also receive 6g L-carnitine daily.
AZTとジダノシン(DDI)投与のHIV患者への別の研究において、サブグループは、毎日の6gのL-カルニチンを投与を割り当てた。

Addition of carnitine greatly reduced the negative effects of the drugs, including apoptosis of CD4 and CD8 cells and oxidative stress. No toxicity or decrease in drug effectiveness was noted.[54]
L-カルニチンの増量は、CD4とCD8細胞のアポトーシスと酸化のストレスを含めて、大いに薬の負の効果を減らした。薬剤有効性における毒性、または減弱作用がなかったことが注目された。[54]


(5)甲状腺機能亢進症(Hyperthyroidism;甲状腺機能亢進症)

L-carnitine is believed to be a peripheral antagonist of thyroid hormone activity in some tissues.
L‐カルニチンは、いくつかの組織における甲状腺ホルモン活性の周囲の阻害剤であると考えられていた。

A randomized, double-blind, placebo-controlled, six-month trial reported both 2- and 4-g daily doses of L-carnitine prevented and reversed hyperthyroidism-related symptoms, including exerting a beneficial effect on bone mineralization.[55]
ランダム化された偽薬でコントロールされた二重盲検試験で、6ヵ月のトライアルはL-カルニチンを1日の投与量が2gと4-gの両群とも有益に骨塩量を効果的に発揮するのを含めて、甲状腺機能亢進関連の徴候を予防及び、減少したことを報告した。[55]


(6)筋ジストロフィー

様々な筋ジストロフィー患者に、骨格筋のL-カルニチンレベル減少が見られる。古典的な筋型L-カルニチン欠乏症患者ほど低くないとはいえ、これらの患者における筋肉の衰えは、L-カルニチンレベルの低さに由来していると思われる。残念ながら、筋ジストロフィーに患者に対するL-カルニチンの補充の効果については、いくつかの理由のために判定されていない。


(7)慢性閉塞性肺疾患(COPD;Chronic Obstructive Pulmonary Disease)

慢性的な呼吸不全の患者は、簡単な運動によってさえしばしば深刻な影響を被る。L-カルニチン(2gを毎日3回)による治療により、運動耐性に有意な改善が見られた。


(8)未熟児における呼吸困難(Respiratory Distress in Premature Infants;未熟児呼吸窮迫症候群)

A combination of L-carnitine (4g daily for five days) and betamethasone given to women in the prenatal period reduced both the incidence of respiratory distress syndrome and the mortality of premature newborns.[66] L-carnitine supplementation to preterm infants at a dose of 30mg/kg/day in one study[67] and 15mg/kg/day in a second study[68] did not result in significant differences between supplementation and placebo groups in frequency of apnea, weight gain, or length of hospital stays.
出生前期に女性に L‐カルニチン (毎日 4g、5日)、およびステロイド(betamethasone) のコンビネーション投与は、呼吸切迫症候群の発生率と、未熟児の死亡率の両方を減少し、[66]早産児におけるL‐カルニチンの30mg/kg/day [67] 、および第2の研究15mg/kg/day[68] のサプリメント投与群と偽薬群で無呼吸頻度や体重増加あるいは入院日数の長さに著明な差は示されなかった。

From the above studies, it appears prenatal supplementation may be of more benefit than newborn supplementation.
前述の研究から、出産前のサプリメント摂取が更に多くの新生児への利益であるかもしれないように思われる。

A case of siblings presenting with apnea and periodic breathing, along with biochemical defects consistent with a non-specific abnormality of beta-oxidation, suggests L-carnitine might prevent some cases of sudden infant death syndrome.[69]
ベータ酸化の非特異的な異常と一致している生化学の欠陥とともに、呼吸停止と周期性変動呼吸によって症状の出現する子どもの場合は、L-カルニチンが幼児突然死症候群のいくつかのケースを防止するかもしれないことを示唆する。[69]


(9)減量(Weight Loss;体重減少)

In a double-blind study, investigators found no effect of L-carnitine supplementation on weight loss or any variable of body composition measured.[70]
二重盲検による研究において、調査者は減量あるいは、体組成のどのような変数でも測定したが、L-カルニチンサプリメントの効果を全然見つけられなかった。[70]


(10)先天性アミノ酸代謝異常症

尿酸回路などの先天的な代謝異常の治療におけるL-カルニチンの利用は、しごく正当であると思われる。予備的研究では、グルタル酸尿症、イソ吉草酸血症、プロピオン酸血症、メチルマロン酸尿症の例においてL-カルニチンの補充がすばらしい臨床反応を示した。


(11)神経性食思不振症(Anorexia;拒食症)

Combined use of L-carnitine and adenosylcobalamin in patients with anorexia nervosa has been shown to accelerate body weight gain, normalize gastrointestinal function, decrease fatigue, and improve. physical performance [13],[14] Children with infantile anorexia responded to a combination of carnitine and adenosylcobalamin with improved appetite.[15]
神経性食思不振症の患者における L‐カルニチンとアデノシルコバラミン(ビタミンB12誘導体.生合成欠陥によりメチルマロン酸血症をきたす)の併用使用は、体重増加を加速すると示され、胃腸の機能を正常化し、疲労を減少し、小児の身体能力を改善した。[13, 14] カルニチン、およびアデノシルコバラミンの併用によって乳児の食欲を改善した。[15]


(12)身体活動の向上(Athletic Performance;運動能力)

L-カルニチンによる運動耐性と身体活動を向上させる能力は、循環器病の患者だけにとどまらない。L-カルニチンの補充は、健常者やスポーツ選手にも有益であることが証明されている。心筋などの骨桔筋が効率的に脂肪酸を利用するには、L-カルニチンの適切な供給が必要である。

スポーツ選手と健常者を対象にしたいくつかの二重盲検試験では、L-カルニチンの補充(通常2gを1日2~3回)によって、運動への反応における循環器機能に有意な回復が見られた。対照群と比較し、L-カルニチン投与群には運動強度や時間の改善だけでなく、筋肉におけるエネルギー代謝が改善された証拠(血中乳酸値および遊離脂肪酸値の低減)が見られた。筋肉運動によるエネルギー生産の改善が、心臓機能の改善と同様に、L-カルニチンの身体活動を向上させる能力に起因していることは明らかである。

少なくとも3つの研究において、運動能力におけるL-カルニチンの効果がプラセボと同程度にすぎないことが示されたが、とくに持久関連の項目において、L-カルニチンの補充は有益であるとみなすべきであろう。このように述べる根拠は、これらの研究でも、L-カルニチンによって長距離走者におけるエネルギー生産酵素のレベルに向上が見られたためである。選手たちには、プラセボまたは2gのL-カルニチンを1日2回4週間にわたって投与された。L-カルニチンを投与された走者は、エネルギー生産にかかわる酵素(シトクロムC還元酵素とシトクロム酸化酵素)が有意に増加した。対照的に、プラセポ群には変化が見られなかった。

L-カルニチンを投与された健常者の循環器機能が改善し、運動後の心拍数が安静時の数値に戻るまでの時間が短縮されたことも記しておきたい。これらの改善は、L-カルニチンが、汗をかかない程度の定期的な運動による心臓や血管の機能への利益に似た効果を生み出すらしいことを意味している。


A clinical study reported improved running speed and decreased average oxygen consumption and heart rate following prolonged L-carnitine supplementation,[16] while other researchers reported increased maximal oxygen uptake and decreased plasma lactate when L-carnitine was supplemented acutely one hour prior to beginning exercise.[17]
臨床試験は、L-カルニチンのサプリメントを持続している間、走行速度を改善し平均酸素消費量と心拍数を減少したと報告した。[ 16 ]他の研究者の報告によると、運動を始める1時間前の短時間にL-カルニチンのサプリメント摂取されたときの最高酸素摂取量が増加し、血漿乳酸塩を減少したと報告された。[17]

A small study on L-carnitine’s effect on high-repetition squat exercise found significant benefit from 2g carnitine daily compared to placebo on blood parameters of muscle recovery - myoglobin, creatine kinase, and malondialdehyde.[18] In contrast, other research has shown no ergogenic effects of either chronic or acute L-carnitine supplementation.[19-21]

高度の繰返しのスクワット運動によるL‐カルニチンの小研究では、毎日2gのカルニチンとプラセボを服用群を比較して白筋筋肉の修復の血中のパラメーター-ミオグロビン、クレアチンキナーゼ、およびmalondialdehydeに関する顕著な利点が分かった。[18] 一方、他の研究は、同様に慢性的な、もしくは、急性L‐カルニチンサプリメント摂取で仕事量増加の効果を示さなかった。[19-21]

ⅲ.L-カルニチンの薬理学的情報
カルニチンの生化学と薬物動態学
Biochemistry and Pharmacokinetics

Synthesis of carnitine begins with methylation of the amino acid L-lysine by S-adenosylmethionine (SAMe).
カルニチンの合成は、S-アデノシルメチオニン ( SAMe ) によってアミノ酸 L‐リジンのメチル化で始まる。

Magnesium, vitamin C, iron, vitamins B3 and B6, and alpha-ketoglutarate - along with the cofactors responsible for creating SAMe (methionine, folic acid, vitamin B12, and betaine) - are all required for endogenous carnitine synthesis.
マグネシウム、ビタミン C 、鉄、ビタミン B3(ナイアシン)、およびビタミンB6、およびアルファ‐ケトグルタル酸塩 ― SAMe (メチオニン, 葉酸, ビタミンB12, そしてベタイン ) を作ることの原因となる補因子とともに ― が全て内因性カルニチン合成のために必要とされる。

Evidence indicates L-carnitine is absorbed in the intestine by a combination of active transport and passive diffusion.[1] Reports of bioavailability following an oral dose have varied substantially, with estimates as low as 16-18 percent[2,3] and as high as 54-87 percent.[4,5]
L‐カルニチンの示す医学的根拠は、受動的拡散と能動輸送の組み合わせによって小腸で吸収されることを示す。[1] 経口後に続く生物学的利用率の報告では、低く見積っても16-18%[2,3] とし、同様に高く見積ると54-87%[4,5]と大幅に変化した。

Oral supplementation of L-carnitine in individual dosages greater than 2g appears to offer no advantage, since the mucosal absorption of carnitine appears to be saturated at about a 2-g dose.[2] Maximum blood concentration is reached approximately 3.5 hours after an oral dose and slowly decreases, with a half-life of about 15 hours.4 Elimination of carnitine occurs primarily through the kidneys.[4]
L-カルニチンの経口摂取量約2g以上の服用は約2gで飽和状態になるため、2gを超えるL‐カルニチンの利点はないように思われる。[2] 最高血中濃度は経口服用後の 約3.5 時間後に到達し、そして、ゆっくりと減少し、血中半減期は約15時間[4]で、カルニチンの排泄は、主に腎臓で[4]排泄される。

The heart, skeletal muscle, liver, kidneys, and epididymis have specific transport systems for carnitine that concentrate carnitine within these tissues.
心臓、骨格筋、肝臓、腎臓、および精巣上体などの各臓器におけるカルニチンの組織中の濃度はカルニチンに特殊な輸送系を持っている。

Despite evidence indicating increased levels of free carnitine and carnitine metabolites in the blood and urine following an oral dose, no significant change in red blood cell carnitine levels was noted in healthy subjects, suggesting either a slow repletion of tissue stores of carnitine following an oral dose or a low capability to transport carnitine into tissues under normal conditions.[6]
経口服用に従って血中および尿中のフリーのカルニチンおよびカルニチンの代謝産物が増加したにもかかわらず、経口服用後で赤血球のカルニチンレベルにおける顕著な変化は示されなかった (経口服用、あるいは、カルニチンを正常な状態.[6] における組織に輸送する能力が低いということをゆっくりとしたカルニチンの組織貯蔵が示している )

カルニチンの作用機序
Mechanisms of Action

Carnitine's primary mechanism of action is apparently attributable to its role as a cofactor in the transformation of free long-chain fatty acids into acylcarnitines for subsequent transport into the mitochondrial matrix.[7]Carnitine is involved in the metabolism of ketones for energy[8] and the conversion of branched-chain amino acids - valine, leucine, and isoleucine - into energy.[9]
カルニチンの主要な作用機序は、フリーの長鎖脂肪酸であるアシルカルニチンに転換し、ミトコンドリアマトリックスの中に輸送する補因子である。 [7]カルニチンは、エネルギー産生のためのケトン代謝[8]や、分枝鎖アミノ酸 ( バリン、ロイシン、およびイソロイシン ) から[9] への変換も含まれる。

カルニチンの欠乏状態と症状
Deficiency States and Symptoms

Although L-carnitine is supplied exogenously as a component of the diet and can also be synthesized endogenously, evidence suggests both primary and secondary deficiencies do occur.
食事の成分としてL‐カルニチンを外因性的に供給したり、内因性的に合成されるが、1次性あるいは2次性のカルニチン欠乏症を起こすことを医学的証拠は示唆している。

Carnitine deficiency can be acquired or a result of inborn errors of metabolism.[10] Pre-term infants are at risk for developing a carnitine deficiency due to impaired synthesis and insufficient renal tubular resorption.[11] Deficiency can result in cardiomyopathy, congestive heart failure, encephalopathy, hepatomegaly, impaired growth and development in infants, and neuromuscular disorders.
カルニチン欠乏症は、先天性代謝異常症の結果として発症する。[10] 未熟児は、カルニチンの合成が損なわれたり、腎臓の尿細管での再吸収が損なわれたりすることにより欠乏状態が進行する。[11] カルニチンの欠乏症は、心筋症、うっ血性心不全、脳症、肝臓腫瘍、乳児の成長、発達障害、および神経筋異常症例などの結果となる。

Primary carnitine deficiency, although rare, is characterized by low plasma, red blood cell, and tissue levels of carnitine, and generally presents with symptoms such as muscle fatigue, cramps, and myoglobinemia following exercise.
原発性のカルニチン欠乏症は、まれであるが、血漿、赤血球、およびカルニチンの組織レベルが低いことが特徴であり、そして、一般的には筋肉疲労、痙攣、および運動後のミオグロビン尿症のような症状によって現れる。

Additional symptoms of chronic carnitine deficiency can include hypoglycemia, progressive myasthenia, hypotonia, or lethargy.
加えて、慢性的なカルニチン欠乏症の症状は、低血糖症、進行性の筋無力症、筋緊張低下、または傾眠を含むことがある。

Secondary carnitine deficiency is not as rare and is most commonly associated with dialysis in chronic renal failure, although it can also be induced by intestinal resection, severe infection, and liver disease. Other conditions associated with a carnitine deficiency include cancer,[12] diabetes, Alzheimer's disease, and heart failure.[11]
2次性のカルニチン欠乏症は、しばしば発現する。そして、それが腸の切除、ひどい伝染病、および肝臓病によって引き起こされる可能性があるが、最も一般的には慢性腎不全における透析と関連している。カルニチン欠乏症と関連している他の症状には、癌 [ 12 ] 糖尿病、アルツハイマー病、心不全[11]を含んでいる。

Pathological manifestations of chronic deficiency include accumulation of neutral lipid within skeletal muscle, cardiac muscle, and liver;a disruption of muscle fibers;and an accumulation of large aggregates of mitochondria within skeletal and smooth muscle.
カルニチンの慢性的欠乏症の病理学的な発現は、骨格筋、心筋、および肝臓の中の神経脂質の蓄積を含む。筋繊維の崩壊、骨格筋、そして平滑筋の中のミトコンドリアの大きな凝集塊の蓄積を含んでいる。

安全性

薬物毒性に対する保護作用

L-カルニチンは、化学療法薬剤であるアドリアマイシンがもたらす心臓へのタメージに対する保護効果を示した。L-カルニチンはまた、バルプロ酸(商用名:Depa、デパケン、Depakote、Deproic)やカルバマゼピン(商用名:Epitol、テグレトール)などの抗痙攣薬に起因する症状を改善することも証明されている。とはいえ、最新の研究では、L-カルニチン群とプラセボ群の問に健康スコアの有意差が見られなかったため、予防的なL-カルニチンの投与の必要性に異議が申し立てられた。


相互作用(Interactions;相互作用)

L-カルニチンは、いかなる薬物や栄養素とも逆相互作用が認められていない。L-カルニチンとコ・エンザイムQ10(ユビキノン)とを組み合わせると、相乗的に働くことがわかっている。パンテチンとも同様である。

最も重要なのは、おそらくコリンとの相互作用であろう。若い成人女性に毎日コリンを補充(20mg/体重kg)したところ、対照群と比べてL-カルニチンの尿中排泄カーブは5%も減少しながらも、血清中のL-カルニチン濃度に有意な変化はみられなかった。モルモットを使った実験では、コリンの補充によってL-カルニチンの尿中排泄は有意に減少し、骨格筋におけるL-カルニチン濃度は上昇した。これらの研究から、コリンの補充によってL-カルニチンが保存され、細胞問のL-カルニチンレベルも上昇すると思われる。


Nutrient-Nutrient Interactions (栄養状態相互作用)

A deficiency of ascorbic acid may decrease endogenous biosynthesis of carnitine.[71,72] In guinea pigs, supplementing the diet with ascorbic acid increased carnitine biosynthesis.[73] A case report describes normalization of carnitine levels following administration with riboflavin.[74] In rats, administration of vitamin B12 increased carnitine biosynthesis.[75] Choline supplementation appears to decrease carnitine synthesis.[76]
アスコルビン酸の不足はカルニチンの内因性の生合成を減少するかも知れない。[71、72] モルモットにおけるアスコルビン酸を合わせた食餌によるサプリメントは、カルニチン生合成を増加させる。[73] ひとつのケースレポートでは、食べ物を補うことによりラットの体内でリボフラビン(ビタミンB2)の投与に応じてカルニチンレベルが正常化すると報告した。[74]ラットにおいて、ビタミンのB12投与がカルニチンの生合成を増加した。[75] コリンサプリメント摂取が、カルニチン合成を減少させるようである。[76]


薬品‐栄養素相互作用 (Drug-Nutrient Interactions;薬物-栄養相互作用)

Anticonvulsant medications, including phenobarbital, valproic acid, phenytoin, and carbamazepine, have a significant lowering effect on carnitine levels.[77] The antibiotic pivampicillin negatively impacts carnitine metabolism.[78] L-carnitine should be used cautiously, if at all, with pentylenetetrazole, since evidence suggests the combination might exacerbate the side effects of the drug.[79]
フェノバルビタール、バルプロ酸、フェニトイン、およびカルバマゼピンを含む抗痙攣薬は、カルニチンの作用を顕著に低下させる。[77] 抗生物質のピバンピシリンは、カルニチンの代謝を陰性的に影響する。[78] 医学的証拠により、コンビネーションが薬の副作用を増悪させる可能性を示唆するので、L-カルニチンはあったとしてもペンテトラゾールによって用心深く使われるべきである。[79]

Evidence suggests supplemental L-carnitine might prevent cardiac complications secondary to interleukin-2 immunotherapy in cancer patients[80] and cardiac toxicity secondary to adriamycin.[81] L-carnitine, when used concurrently with AZT, appears to prevent the drug-induced destruction of myotubes, preserve the structure and volume of mitochondria, and prevent the accumulation of lipids.[82]
医学的証拠は、サプリメントによるL-カルニチン投与が癌患者におけるインターロイキン2免疫療法による第2の心臓の合併症を防止するかもしれないことを示唆[80]し、アドリアマイシンによる第2の心毒性[81]は、L-カルニチンがAZTと同時に使われるときに、筋管の薬剤性の破壊を予防し、ミトコンドリアの構造と量を保存し、脂質の蓄積を予防するようである。[82]

L-carnitine supplementation helps prevent elevation in liver enzymes, as well as the myalgia, weakness, and hypotension induced by isotretinoin.[83] Emetine (ipecac) appears to promote carnitine deficiency.[84] A case report suggests carnitine deficiency was induced in a patient receiving sulfadiazine and pyrimethamine.[85]
L-カルニチンのサプリメント摂取は、肝臓の酵素の上昇を予防的に役立っている。同様にイソトレチノインによって筋肉痛、弱さ、および低血圧症が引き起こされた。[83] エメチン(トコン)がカルニチン欠乏症を促進する。[84] カルニチン欠乏症の1つのケースレポートは、葉酸拮抗剤であるスルファジアジンとピリメタミンを投与された患者に引き起こされたことを示唆する。[85]

Evidence also suggests L-carnitine potentiates the anti-arrhythmic effect of propafenone and mexiletine in patients with ischemia.[86]
医学的証拠はまた、L-カルニチンが心筋虚血の患者において抗不整脈治療薬のプロパフェノンとメキシレチンの効果を可能にすることを示唆する。[86]


用量Dosage (服用量)

L-カルニチンの1日の用量は、型を問わず、1,500~4,000mgを分割して服用するのが一般的である。L-カルニチンの安全性を考えると、少なすぎるよりは多すぎるほうがいいだろう。例外は血液透析を受けている患者である。血液透析を受けている患者においては、トリクリセリドのレベルと血小板凝集に逆説的な効果が報告されている。この研究では、慢性腎不全の患者に対しては、その他の研究と比べてわずかに多い用量(3g/日)か補充されていた(典型的な用量は20mg/体重kgまたは2g/日)。その上、研究の規模が極めて小さく、その結果は同様の用量を使用した他の研究と矛盾していた。とはいえ、このリスクを避けるためには、腎機能障害を持つ患者に対しては用量を少なめにした上で、慎重に監視するのが賢明であろう。

The average therapeutic dose is 1-2g two to three times daily for a total of 2-6g daily.
平均的な治療投与量は、毎日 1〜2gを2~3回、計 2〜6gである。

No advantage appears to exist in giving an oral dose greater than 2g at one time, since absorption studies indicate saturation at this dose.
吸収研究がこの服用量で飽和を示すので、2gを超える経口量を一度に与える利点はない。


警告と禁忌症状(Warnings and Contraindications;警告と禁忌)

L-carnitine is listed as pregnancy category B, indicating animal studies have revealed no harm to the fetus but that no adequate studies in pregnant women have been conducted.
L-カルニチンが胎児に与える害について、動物の研究は明らかにしなかったが、妊娠したヒトの女性の十分な研究も行われていないことも考慮し、妊娠カテゴリーBとして考えられる。

L-carnitine has been given to pregnant women late in pregnancy with resulting positive outcomes.
L-カルニチンは結果として生じているポジティブな結果によって妊娠後期の女性に与えられている。

The racemic mixture (D,L-carnitine) should be avoided.
ラセミ体混合物 ( D、L‐カルニチン ) は、回避されるべきである。

D-carnitine is not biologically active and might interfere with the proper utilization of the L isomer.
D-カルニチンは生物学上の活性はなく、また、 L 異性体の適切な利用を妨害するであろう。

In uremic patients, use of the racemic mixture has been correlated with myasthenia-like symptoms in some individuals.
尿毒性の患者に対するラセミ体混合物の使用は、複数の患者の筋無力症様の徴候と相関する。


副作用および毒性(Side Effects and Toxicity;副作用と毒性)

L-カルニチンは極めて安全性が高く、ヒトにおける臨床研究においても有意な副作用はまったく報告されていない。繰り返して強調するが、利用してよいのはL-カルニチンだけである。D型はL型の光学異性体であるが、天然のL型カルニチンを妨げる副作用を生み、血液透析を受けている患者に対してD,L-カルニチンの混合物(カルニチンラセミ体)を45日間投与したところ、エネルギー欠乏によると思われる筋肉の痛みと筋肉機能の損失が見られた。カルニチンラセミ体の投与を休止するとこれらの症状はなくなった。その後の研究により、D-カルニチンは心筋および骨格筋におけるL-カルニチン欠乏症を生じさせることが証明された。L-カルニチンは狭心症の患者に対する運動耐性を有意に改善させるが、カルニチンラセミ体はコレラの患者における運動耐性を危険なまでに減少させる。

A variety of mild gastrointestinal symptoms have been reported, including transient nausea and vomiting, abdominal cramps, and diarrhea.
様々な穏やかな消化器症状が、一時的な吐き気と嘔吐、腹部の痙攣、および下痢を含めて報告されている。

The LD50 in mice is 19.2g/kg. Mutagenicity data indicate no mutagenicity; however, experiments to determine long-term carcinogenicity have not been conducted.
マウスにおける LD50(50%致死量)は、19.2g/kg である。突然変異誘発力データは何も示していない。しかし、長期の発癌性を決定するための実験は行なわれなかった。

Ⅱ.参考文献

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